「なぜ和牛は超高いのか?」
はじめに
焦るんじゃない。俺は和牛を食べたいだけなんだ。
学習教材の動画
動画
動画の引用元
- Why Wagyu Beef Is So Expensive | So Expensive
- 公開日: 2019/07/28
- Business Insiderより
動画の概要
0:00- イントロダクション
これは和牛だ。世界で最も高価な肉の一つで、日本で生産され、その豊かな霜降りとバターのような味わいで高く評価されている。高級和牛は1ポンド(約450グラム)あたり200ドル(約2万8千円)に達し、牛そのものも3万ドル(約450万円)で取引されることがある。でも、なぜこの肉はそんなに高いのか?
0:29- 4種類の和牛と脂肪の付きかた
「和牛」という言葉は、文字通り「日本の牛」を意味し、主に4つの主要な品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)を指す。これらの牛は持久力を高めるために飼育され、筋肉内に多くの脂肪細胞を持っている。そのため、脂肪が筋肉全体に均等に分布し、和牛の肉はピンク色で非常に柔らかい。
0:45- 和牛のレギュレーション
さらに、日本政府は和牛の価値と品質を保護するために、その生産を厳しく規制している。和牛は、肉の量と霜降り脂肪の品質という2つの要素で評価される。日本国内で販売される和牛は、A3級からA5級のみが認定されていて、等級が高いほど価格も上がる。
1:04- 和牛の育て方
和牛はその価値がほぼ伝説的な地位に達しており、和牛農場や牛の育て方に関して、さまざまな神話が存在する。たとえば、「牛が毎日マッサージを受けたり、ビールを飲んでいる」という話もあるが、これは実際にはほとんど事実ではな い。
和牛の飼育方法は地域や農家によって異なるが、一般的には10か月ほどまで繁殖業者によって育てられ、その後、太った成体が肥育業者にオークションで売られる。オークションに出されると、子牛の価格はアメリカの牛の40倍にもなることがある。肥育業者は牛を小さな囲いに入れ、米や小麦、干し草を混ぜた繊維と高エネルギー飼料を一日三食与えながら、約2年間にわたり肥育する。この期間に牛は約50%が脂肪となる。また、妊娠している牛や繁殖牛だけが放牧され、自由に草を食むことが許される。肥育期間の長さと、飼料の輸入コストが和牛の価格を押し上げている。肥育期間中、牛は約5トンの飼料を消費する。
1:58- 和牛の価格
オークションで売られる際には、1頭あたり3万ドルにもなることがある。比較すると、アメリカやオーストラリアで最高級とされるブラックアンガス牛は、通常3,000ドル以上では取引されない。和牛の種類によっては、1ポンドあたり200ドルに近づくこともある。霜降りを追求する点では共通しているが、その方法は農場や地域によって異なる。
2:22- 松坂牛
和牛には300種類以上のバリエーションがあるが、最も有名なものは10の地域から産出される。その中でも特に高価なのは、三重県産の松阪牛だ。松阪牛は、雌牛のみから作られ、その柔らかさで評価されている。2002年には、1頭の松阪牛が5000万円(約40万ドル)で取引されたこともある。
2:43- 神戸牛
しかし、最も有名なのは神戸牛だ。神戸牛は兵庫県の神戸市で生産され、去勢牛あるいは去勢された雄牛から作られる。アメリカのレストランで「神戸バーガー」として見かけることもあるが、本物の神戸牛は非常に柔らかいため、パティとして成形するのはほとんど不可能だ。多くのアメリカのレストランでは、和牛とアンガス牛を交配させ米国内で育てた「和ンガス」などのハイブリッド牛を提供している。
3:10- 宮崎牛
最高評価の和牛は、A5等級の宮崎牛だ。宮崎牛は和牛オリンピックで2度も優勝したことがあり、A5等級の宮崎牛は1ポンドあたり100ドル以上で販売されることもある。ニューヨークの「SakaMai」では、85ドルの和牛カツサンドが人気で、忙しい夜には約25食分が提供される。
3:47- 和牛の入手性の低さ in USA
アメリカでは、和牛を見つけることは難しい。だからSakMaiのレストランには、和牛を食べるためだけに来るお客さんも多く、二人組のお客さんが来て、和牛カツサンドだけを食べていくということもある。日本の牛肉輸入には関税や割当が多く、生体牛の輸入は許可されていない。そのため、和牛の調達は非常に難しい。
4:07- 実食
和牛はその価値があるのか?取材班はA5等級の宮崎牛の和牛カツサンドを試食することにした。
A「おいしい、とてもうまい。まるでバターのような。(肉を)バターでコーティングしたような感じ。」
B「だけど実はそんなことはなくて、塩と胡椒で味付けしただけだなんて、クレイジーすぎるよね」
4:30- オリーブ牛
さらに希少な和牛もある。それが「オリーブ牛」と呼ばれる、世界で最も希少なステーキだ。この牛は、乾燥させたオリーブの皮を餌に混ぜて育てられ、2006年に日本の農家、石井正樹によって開発された。2018年には約2,200頭のオリーブ牛が屠殺されたが、これらはすべて日本最古のオリーブオイルプランテーションがある小豆島で育てられている。この特別な和牛は非常に柔らかいと言われ、ステーキ1枚あたり120ドルから300ドル以上の価格がつくこともある。
5:00- 和牛の世界的需要増加
和牛の人気は世界中で高まっているが、日本国内の状況は少し異なる。日本では和牛の人気が若干低下しており、2017年時点で、日本は米国産牛肉を最も多く輸入する国となっていた。しかし、和牛の輸出額は過去5年間で200%以上増加している。日本の人口が高齢化する中で、農家は増加する世界的な需要に対応しきれず、これがさらなる価格上昇を引き起こしている。それでも、高価格は国際的な販売を阻む要因にはなっていない。2013年には日本の和牛の輸出額は50億円だったが、昨年には247億円に達した。多くの生産者がイスラム諸国への輸出を目指し、ハラール認証を取得するようになっている。
5:43- 日本国外での和牛生産
しかし、日本は高品質な和牛の生産で競争相手に直面する可能性がある。アメリカ、オーストラリア、イギリスなどの国々が、自国で和牛の生産を進めているのだ。これらの国々では主に交配による和牛の生産が行われており、イギリスやアメリカ、オーストラリアの和牛の多くは純血が50%にとどまっている。しかし、これはすぐに変わるかもしれない。
例えば、イギリスでは和牛ブリーダー協会がDNA検査済みの純血和牛の登録を行い、本物の英国産和牛を認証している。新しい方法と規制の強化により、日本産と同等の品質の製品が生まれる可能性があり、近い将来、より手頃な価格の和牛が市場に出回るかもしれない。
単語・表現
rich marbling and buttery taste
- 豊かな霜降りとバターのような味わい
- 0:08- 日本で生産され、豊かな霜降りとバターのような味わいが評価されています。
calves
- 子牛
- 1:23- 子牛が競売にかけられる頃には、米国産牛の価格の40倍もの値がつくこともある。
small pens
- 小さな檻、小さな囲い、小さな貯蔵所
- 1:29- 肥育農家は牛を小さな囲いの中に入れ、米・小麦・ほし草からなる食物繊維が含まれた高カロリーな飼料を与える。
hay
- ほし草
steers or castrated bulls
- steers:去勢された雄牛
- castrated bulls: 去勢された牛、ほぼ同意味を並列して表現していますが、稀に卵巣を除去された雌牛も流通しているるみたいで、それを含んだのであろう表現です。
- 2:43- しかし最も有名な和牛は神戸牛で、”京都府にある神戸”というところで生産され、去勢牛のみから生産されています。
- 動画では神戸は京都府と述べていますが、お分かりの通り、兵庫県です。
wary
- 注意深い、用心深い
- 2:53- 神戸牛(Kobe)という単語はレストランのメニューで散見されますが、顧客としては神戸バーガーといったものには注意せねばなりません。本物の神戸牛はパテ状に成型するには柔らかすぎるからです。
authentic kobe beef
- 本物の神戸牛
tender
- やわらかい
- YouTubeの字幕だと、tended (しがちだった、傾向があった)と誤字幕になっていますが、この文脈だとtenderが正解。
two top
- (レストラン業界用語で)二人掛けのテーブル、二人組の客
- 3:53- 時折、二人組の客が来て、和牛カツサンドだけを注文することがある
tariffs and quotas
- 関税と割当
- いずれも、外国製品を輸入する際、国内産業を守るために設ける貿易障壁。関税は、輸入商品の価格に上乗せする形で、割当は輸入商品の数量を限定する形で、国内の同種類の商品との市場競争を調整する。
- 3:57- 日本の牛肉輸入には関税や割当が多く、生きた状態の牛の輸入は許可されていない。
sought-after
- 望まれる、欲しがられる、需要が高い、人気がある
- 4:31- 宮崎牛のA5グレードよりも求められる肉がある。
halal certifications
- ハラール認証
- イスラム教の教えに従って製造・処理された製品や食品に対して与えられる認証。”Halal”(ハラール)は、アラビア語で「許された」「合法な」という意味で、イスラム法(シャリーア)に基づいて消費が許可されているものを指す。
- イスラム教徒が安心して消費できる製品であることを保証するため、多くの国でこの認証が重要視されており、特にイスラム教徒が多い国や地域への輸出を行う企業にとっては重要な要素となっている。
- 5:34- 今や数多くのと畜場が、ハラル認証を取得しています。
感想
『世界残虐物語』
『世界残酷物語 (原題: Monde Cane)』1962年のイタリアの映画作品がある。本作品は、良くも悪くも映画史に残る「やらせ」映画でもあるが、世界旅行が一般的でない当時の世界中のありとあらゆる「奇妙な」風習を映像化した作品でもある。
その中に、神戸牛にビールを飲ませ、マッサージをするシーンがあるが、それが和牛のステレオタイプなイメージになっているらしい?
その動画
誤訳の可能性大ですが、簡単な和訳
日本では、東京から320マイル(514km)ほど離れた神戸というには、世界で最も洗練された牛の農場がある。お肉を柔らかくするべく、一日8時間熟練したマッサージ師により揉まれる。
さらに牛たちは、体重を増やすために一日当たり6リットルのビールを飲まされる。ビールは、浸透力が失われないように、瓶から口へ直接注がれる。
これらの子牛のステーキは全てニューヨークにある3‐4軒のレストランに運ばれ、おおよそ1kgあたり7,000イタリアリラで取引される。
「おいしー」
宮崎牛実食時のJack Houstonが、「おいしー」といったのに「Oh, Shit.(ピー音)」と認識されたのは面白い(笑)。