「グラン・ツールに出場するプロサイクリストたちが実際に飲んでる10のサプリメント」
はじめに
プロの自転車競技に出場するアスリートたちは、どういったサプリメントを摂取しているでしょうか?トップ中のトップのチームのひとつ”EF Education – Easypost”の栄養士ウィル・ガーリングがそのすべてを明らかにします。
学習教材の動画
動画
動画の引用元
- 10 Supplements World Tour Pros Actually Use – ft. EF Nutritonist
- 公開日: 2024/09/24
- Cade Mediaより
動画の概要
0:00- イントロダクション
ウィル・ガーリングは、EFプロサイクリングの栄養士であり、スポーツパフォーマンスの専門家です。この動画では、彼が彼のチームのアスリートに実際に使用している、効果のある10種類のサプリメントを紹介します。
0:10- No.1 ビタミンD3
ビタミンD3の主な役割は、免疫力の向上と骨密度のサポートです。ビタミンD3は基本的に日光からしか十分に得られません。食事からも一部摂取できますが、量が少なすぎて必要な量には到底届きません。
毎日15分以上の直射日光を浴びないと十分な量を得られないため、例えばアメリカのLAにいるなら大丈夫かもしれませんが、イギリスのように曇りがちで長袖を着ている環境だと厳しいです。また、日焼け止めも紫外線をブロックするので効果を得られません。したがって、サプリメントを摂取する価値があり、1日1,000IU(国際単位)または25マイクログラムを年間を通じて毎日摂取することが安全だとされています。
血液検査を受ければ、医師やアドバイザーと相談して、自分に適した量を知ることができます。一般的に、肌の色が濃いほど日光からの吸収量が少なくなるので、その場合はより多く補充する必要があるかもしれません。
1:13- No.2 オメガ3
オメガ3は素晴らしいサプリメントで、心臓病や心血管疾患のリスクを低下させます。また、健康的なコレステロール(HDL)を体内に取り込む主な方法でもあります。オメガ3は脂肪の多い魚から摂取できますが、週に十分な量を摂っている人は少ないでしょう。オメガ3は運動パフォーマンスや回復もサポートし、オメガ3の一部であるEPA(エイコサペンタエン酸)の理想的な摂取量は1,000〜1,500mgです。サプリメントのパッケージを確認すれば、自分がどれだけ摂取できるかがわかります。
1:55- No.3 クレアチン
クレアチンは、最も科学的に研究されているスポーツサプリメントで、非常に安価で私が述べている非常に効果的です。投資リターンが非常に大きいサプリメントです。
「クレアチン・モノハイドレート」のみを摂取すれば十分で、他の形式のクレアチンは効果が低いため、買う価値がありません。また、他の形式は通常高価です。1日3〜5グラムを摂取すると、10秒間のパワー出力やピークパワー出力が向上し、さらに回復も早まります。余分な体脂肪のない筋肉を得られる可能性もあり、カロリー制限下で、余分な脂肪のない筋肉繊維がエネルギーとして消費されないことにも役立ちます。非常に優れたサプリメントで、とてもおすすめします。
サイクリストが心配する体重増加については、それは非常に少量で、体重に応じたわずかな増加です。大柄な人ほど筋肉に引き込む水分量が多く、小柄な人はその逆です。研究によると、パフォーマンスの向上が体重増加のデメリットを上回ることが示されています。
3:08- No.4 ベータアラニン
ベータアラニンは乳酸をバッファする*効果があり、摂取後にピリピリとした感覚(パレストジア)を引き起こすことがあります。特に食事を取らずに高用量を摂取すると、耳や手、首周りがピリピリしたり、痒くなることがありますが、食事と一緒に摂るとその感覚が軽減されます。1日に2グラムを3回に分けて摂取するのが理想です。4〜6週間のローディング期間は必要となります。
では、どういった効果があるのでしょうか?これは乳酸のバッファーとして機能し、(乳酸が出るような)1〜5分程度の高強度の運動時のパフォーマンスを向上させます。基本的に、その名前が示す通り乳酸を緩和し、より強く、より長く運動を続けられるようにします。また、(インターバルトレーニング等で)運動中の乳酸を早く取り除けるので、休憩中の回復が早まり、運動をより効果的に、より強く、そして一貫性をもって繰り返し行えるようになります。」
*訳者注: 乳酸をバッファする
運動中に体内で発生する乳酸を緩和し、その影響を軽減する作用を持つ物質や機能のこと。運動中、特に高強度の運動を行うと、体内で乳酸が蓄積し、筋肉が酸性に傾いて疲労を感じる原因となります。乳酸バッファーは、この酸性化を防ぎ、乳酸を中和することで、運動のパフォーマンスを維持し、疲労を遅らせる役割を果たします。
4:04- No. 5 カフェイン
カフェインはサイクリングにおける文化の一部です。カフェインは、あなたが摂取できるサプリメントのうち、最も効果の高いものの一つです。かつてオリンピックで禁止されていましたが、今では自由に使用できます。手軽に入手でき、とても安価なサプリメントです。Pro Plusの販売しているピル状のものでも入手できますし、Healthspan EliteやMyproteinなどから(ドーピング検査の)バッチテスト済みのバージョンも販売されています。
また、エスプレッソショット1杯には約75mgのカフェインが含まれていますが、研究によると、コーヒーのブランドや店舗によってこの量は大きく異なる場合があります。
もちろん、レッドブルやモンスターエナジーからも摂取でき、モンスターには150mg、レッドブルには330ml缶で75mgのカフェインが含まれています。摂取量は体重1kgあたり3mgが最低量として必要で、パフォーマンス向上には6mg/kgが必要です。
まず試してみて、レース前に摂取する場合は動悸を引き起こす可能性があるので、自分に合った量を確認しておくことが重要です。効果のピークは摂取後1時間なので、イベント前のタイミングを調整すると良いです。
代替手段としては、Healthspan Eliteのカフェインガム(1つ100mg)があり、これはカフェインがより速く体内に入り、速く排出されます。コーヒーは6時間ほど体内に残りますが、このガムは3〜4時間程度で効果が消えます。夜遅くに開催される、レース、クリテリウム、サイクリングクラブの平日夜開催の10マイル-タイムトライアルのようなイベントには理想的な選択肢です。」
5:56- No. 6 重曹(炭酸水素ナトリウム)
重曹は、摂取量を間違えると、トイレの中や自転車の上で悲惨な経験をする可能性があるため、事前に練習する必要があります。正しい量を摂取すれば、重曹は非常に効果的なパフォーマンス向上剤です。ベータアラニンと同様に乳酸のバッファーとして機能し、これらは二つの異なる点で機能します。一つは細胞内で働き、もう一つは細胞外で働きます。両者を組み合わせることで、最も効果的な乳酸バッファリングが期待できます。高強度メニューや練習の直前に摂取すれば、乳酸が必要となる強度のメニュー中のあなたのパフォーマンスを向上させ、乳酸の除去と乳酸の発生緩和を行います。
現在では、Morton’sバイカーブ・システムのような、重曹をゆっくりと時間をかけて放出する製品もあり、これは高強度の負荷が繰り返し求められる長時間のレースに向けて設計されています。非常に優れた製品ですが、高価です。もしこれを使用する場合は、1箱(4つの小分け包装)を購入して、Bクラスのレースやトレーニングで2回試してみて、残りを重要なレースのために取っておくと良いでしょう。重曹の推奨摂取量は、体重1kgあたり0.3gです。つまり、一般的には15〜22g程度の重曹を摂取することになります。6D Sports Nutritionのような場所からカプセルとして手に入れることもできますし、標準的な重曹を飲み物に混ぜて使うこともできます。ただし、カプセルを購入することをお勧めします。そうすることで、飲みやすく、味も気にせず摂取できます。
sodium bicarbonate
- 重曹、炭酸水素ナトリウム
they do work at separate points
- (乳酸バッファーとして)ベータアラニンと重曹は異なる点で機能する
intracellular
- 細胞内で
- ベータアラニンが、細胞内の酸性化を抑制する
extracellular
- 細胞外で
- 重曹が、細胞外の酸性度を中和する
slow prolonged release
- ゆっくりと時間をかけて放出する
sachet
- サシェ、一回分の量を入れたプラスチックの小袋、匂い袋
palatable
- 口に合う、おいしい、味の良い
7:36- No. 7 亜鉛ディフェンスロゼンジ
私のお気に入りです。亜鉛ディフェンスロゼンジは、この特定の種類の亜鉛を口の中で舐めると、風邪の発症を短縮または防ぐことができることが示されています。もし風邪の初期症状、例えば喉のかゆみや少しの鼻水などを感じ始めたら、このロゼンジを舐めることで、その段階で風邪を抑え、風邪にかからないようにできます。また、もしすでに風邪をひいてしまっても、このロゼンジを5日間まで継続して摂取すると、風邪の期間を短縮することができます。
スタッフ「風邪の治療法を見つけたみたいだね!」
そう言われるかもしれませんが、本当に驚くべきものです。なぜこれがもっと広まっていないのか理解できません。実際に、効果があることを示す素晴らしい論文があり、風邪の期間を短縮することが実証されているのです。
shorten or stop the incidence of colds
- 風邪の発症を短縮または防ぐ
itchy throat, bit of a sniffle
- のどのかゆみ、少しの鼻水
you can nip that in the bud
- 未然に防ぐことができる、出鼻をくじく、つぼみのうちに摘み取る
8:26- No. 8 プロバイオティクス
「No.8、うわぁ、何本指があるんだ(笑)。」
プロバイオティクスは腸の健康にとても良いことは、多くの人が知っていると思います。腸内に存在する善玉菌の数を増やすためにサポートしてくれるものです。研究によれば、約200億個の善玉菌と、少なくとも4種類以上の異なる菌株を含むものが最も効果的であるとされています。また、これにより、ランニングやサイクリング中の消化器系の不調(GIディストレス)の発生率が低下することが示されています。もし、GIディストレスに悩んでいて、適切な製品を選んだり、腸のトレーニングをしたり、1時間あたりの(補給食の)摂取量を調整してもまだ問題がある場合は、このプロバイオティクスを試すことでその症状を減らすことができます。さらに、プロバイオティクスは免疫力の向上や全体的な健康維持にも役立ちます。
gut health
- 腸の健康
support increasing the amount of cultures
- 細菌の数を増やすことをサポートする
- culture: 細菌、微生物の集まり; 文化
intestine
- 腸
four different strains
- 四つの異なる菌株
GI distress
- Gastrointestinal distress
- 消化器系の不調
(補給食の)摂取量
- ロードバイク競技は、数時間にもわたり高出力でこぎ続けるため、エネルギー不足(ハンガーノック)に陥らないよう自転車の上で補給食を摂取します。食べても、うまく消化できずエネルギーにならないという事態を避けるべく、各チームの栄養士たちは諸々考え、工夫します。
9:15- No. 9 ホエイプロテイン
「No.9 今度は数えられるぜ。」
9つ目はホエイプロテインです。これは定番品で、特別驚くような効果を持っていたり、劇的にパフォーマンスをサポートするわけではありませんが、結局のところ、毎日十分なタンパク質を摂取することが、筋肉の回復と運動への適応をサポートするということが分かっています。
高い運動量の人やカロリー制限中の人にとって、1日に必要な理想的なタンパク質摂取量は体重1kgあたり約2グラムですが、通常の食事だけでその量を摂取するのが難しい場合があります。その際、ホエイプロテインを使うことで、1日に必要なタンパク質摂取量を満たし、増やすのに非常に役立ちます。
また、レース後や特にハードなライド後の回復を促進するためにも効果的です。ただし、すでに十分な量のタンパク質を含む食事を摂る予定があるなら、ホエイプロテインの追加摂取による大きな違いは生じません。重要なのは、毎日十分なタンパク質を摂取することです。
classic
- 代表的な、規範的な、信頼できる、権威ある、最高水準の、最高級の、普遍的な、伝統的な、定番の、流行に左右されない
outlandish things
- 奇抜なこと、特別驚くようなこと
10:13- No. 10 アシュワガンダ
このサプリメントは、チーム内では使用していませんが、私は多くのアスリートや、現代でよく見られる高ストレス環境にいる多くの人々に本当におすすめしています。
それが「アシュワガンダ」です。アシュワガンダは、睡眠の質を大きく向上させることが示されており、深い睡眠の時間とその持続時間を改善します。その結果として、テストステロンの増加やコルチゾールの減少、パフォーマンスの向上が確認されています。もちろん、睡眠を改善すればストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、テストステロンが増加します。テストステロンが増えることで、新しい細胞がより簡単に形成され、運動への適応も容易になり、その結果、体がより早く健康になっていくことが期待されます。
ですから、睡眠やその質を改善できるものは素晴らしいサプリメントであり、アシュワガンダはその効果が証明されています。これを非常に安価に、さまざまなウェブサイトから入手することができます。1日に500mgを12週間摂取することを推奨しますが、「KSM66」という特定の種類を選ぶのが望ましいです。
in turn
- その結果として、引き続いて
- 何かが起こった後に、それが次の結果や反応を引き起こすというニュアンス
the specific variant
- 特定の種類、特定の変種
10:13- 終わりに
これが私のトップ10のヒントです。楽しんでいただけたなら嬉しいです。自分に合うと思うものを試してみてください。もし質問があれば、Instagramやウェブサイトから連絡してください。リンクは説明欄にありますので、気軽にご連絡ください。お手伝いできることがあれば喜んで対応します。
単語・表現
help with your immunity and with bone density
- 0:14- あなたの免疫力と骨密度をサポートする
- immunity: 免疫力
- bone density: 骨の密度
UV rays
- 紫外線
- 0:37- もし英国のようないつも曇っている場所にいて、長袖を着ているのであれば、やはり日光に当たる必要があり、紫外線を遮断してしまいまうため、日焼け止めもおすすめできません。
- overcast: 曇っている
- sun cream: 日焼け止め
heart disease and cardiovascular disease
- 心臓病と心血管疾患
- 1:20- オメガ3は心臓病と心血管疾患のリスクを下げることに寄与します
bang for your buck
- (米国の口語)あなたの努力や投資への見返り・報酬
- 2:06- クレアチンに投資する見返りは非常に大きいです。
lean muscle
- 余分な脂肪などがない筋肉
- 2:31- 余分な体脂肪のない筋肉を得られる可能性もあり、
calorie deficit
- カロリーが赤字状態、週日カロリーが摂取カロリーを上回っている状態
- 2:34- カロリー赤字の状況下で、余分な脂肪のない筋肉がエネルギーとして消費されないことにも役立つ
- 体はまず糖質を優先的にエネルギーとして使い、それが不足すると脂肪を分解してエネルギーを得る。筋肉がエネルギーとして消費されるのは、これらのエネルギー源が枯渇した場合や、エネルギー供給が長期間不足したときです。
- calorie surplus: カロリー余剰、は対義語
tingles
- (寒さ・打撃などのために)ひりひりする、ちくちく痛む、うずく、怒りでうずうずする: うずき、うずうずする感じ、ひりひりする痛み
- paresthesia: [医学]ピリピリする感じ、ひりひりする痛み
high dose
- 高容量、通常の推奨量や平均的な摂取量よりも多い量のこと
itchiness
- かゆみ
subside
- (嵐、騒動、興奮などが)鎮まる、おさまる
load period
- ローディング期間
- サプリメントの効果を早く得るために、最初に高用量で短期間摂取する期間のことです。これにより、体内の濃度を素早く上げ、その後は通常量で維持します。
effort ranges
- 運動の強度や持続時間の範囲
- この文脈では、「1-5分間の」
batch test
- バッチテスト
- 製品が特定の基準や品質を満たしているかどうかを確認するために、製造された特定のロット(バッチ)ごとに行われるテスト。この文脈では、特にアスリート向けに、ドーピング規制に違反する物質が含まれていないことが保証されているかテストされたカフェインのこと。
heat flatters
- 心臓がバタバタ動くような感覚、不規則に心拍を感じる様子
palpitation
- 動悸、ときめき
timing wise
- タイミングが合えば、タイミングに関して言えば、
sodium bicarbonate
- 重曹、炭酸水素ナトリウム
they do work at separate points
- (乳酸バッファーとして)ベータアラニンと重曹は異なる点で機能する
感想
EF Educationと聞くと、語学留学や海外での教育プログラムに関して興味がある人にとっては馴染みのある名前かもしれません。が、ロードバイク乗りにとっては、Cannondaleのバイクに乗り、グランツールを爆走するチームというイメージのほうが大きいかもしれません。
その世界レベルチームの栄養士さんがおすすめする10のサプリメントでした。
文系レベルの知識で訳しているため、誤訳もあるかも。使える表現がいくつもあり、何度も動画を視聴し、意味を理解していきたい。