「コーヒーと体への影響」
はじめに
コーヒー今日も飲んでます。目覚めの後や昼食後には欠かせません。
では、コーヒーとはいったいどのような効果をカラダに起こしているのか、それについて少し学びたいと思います。
学習教材の動画
動画
動画の引用元
- Coffee and what it does to your body – BBC World Service
- 公開日: 2024/05/16
- BBC World Serviceより
動画の概要
0:00 コーヒーと人類
この動画を見終わるころには、世界中で800万杯のコーヒーが飲まれていることでしょう。コーヒーは少なくとも1,500年以上にわたり消費されてきましたが、その影響はあまりに大きく、啓蒙思想を後押ししたとさえ言われています。啓蒙思想は、今の世界を形作るいくつかの大きな考え方を生み出しました。コーヒーの主な成分はカフェインで、これは地球上で最も広く消費されている向精神薬とされています。では、コーヒーはどこから来て、私たちが飲むとどうなるのでしょうか?
some say
- 一部では~と言われています, ある人々は~と主張しています」
Enlightenment
- 啓蒙思想
- 17~18世紀のヨーロッパで広まった、理性や科学による知識の普及と人間の自由を重視する思想運動であり、現代の民主主義や科学発展に大きな影響を与えた
underpin
- 支える、基礎となる、形作る
psychoactive drug
- 向精神薬
- 脳に作用して気分、意識、思考、行動などに影響を与える薬物を指し、コーヒーに含まれるカフェインもその一種。カフェインには覚醒作用や集中力を高める効果がある。
0:40 コーヒーの発見
コーヒーはエチオピアが原産のコーヒーノキの果実から得られます。ある話によれば、9世紀の山羊飼いカールディが、山羊がコーヒーの実を食べて元気になったのを見て、自分でも試してみたとされています。歴史的な記録によると、イエメンのスーフィーたちがコーヒーの実を焙煎し、今日私たちが認識する飲み物を作り出しました。
goat herder
- 山羊飼い
- herder: [米国英語]家畜の番人。イギリス英語ではherdsman
coffee berries
- コーヒーの実、コーヒーの果実
Sufi
- スーフィ教派、スーフィ教徒
beverage
- 飲み物
1:06- コーヒーハウス、啓蒙思想
15世紀にはオスマン帝国を中心にコーヒーハウスが現れ、後にヨーロッパにも広がりました。ヨーロッパのコーヒーハウスは、ビジネスや政治、新しいアイデアについて話し合う場となりました。ある学者、ユルゲン・ハーバーマスは、コーヒーがなければ啓蒙思想は生まれなかったかもしれないとまで言っています。哲学者のカントやボルテールなどは、教会の世界観を疑問視し始めました。ボルテールは一日に72杯ものコーヒーを飲んだと言われています。彼らは科学に目を向け、宇宙のすべてが理性的に説明できると信じました。この「啓蒙時代」は、私たちの世界を根本から変えました。王政の廃止、民主主義の拡大、数々の科学的発見がもたらされました。
academic
- 学者; 学問的な
Catholic Church’s interpretation
- カトリック教会の解釈
- interpretation: 解釈, 説明
- カトリック教会は、長らく聖書に基づいて世界を解釈し、地球を宇宙の中心とする天動説を支持したり、教皇の絶対的権威を強調して信仰や道徳を統制していた。また、人間は神により自然を支配する存在とし、病気や天災も神の意志と解釈していた。しかし、啓蒙思想と科学の発展により、こうした解釈が次第に疑問視され、教会の伝統的権威は挑戦を受け、近代における宗教と科学の分離が進み、個人の理性や科学的探求が社会的に重視されるようになった。
overthrow
- 打倒する、転覆させる
monarch
- 世襲的立憲君主、王、女王、工程、独裁的統治、王者、大御所
2:02- コーヒーと奴隷貿易
コーヒーはまた、奴隷貿易も促進しました。フランスはハイチのプランテーションでアフリカからの奴隷を使い、1800年代初頭にはブラジルが世界のコーヒーの3分の1をアフリカからの奴隷労働で生産していました。
fuel
- 促進する、煽る: 燃料
slave trade
- 奴隷貿易
- 主に16世紀から19世紀にかけて行われた、アフリカからアメリカ大陸やカリブ海諸国などへ奴隷を売買・輸送する商業活動。多くの奴隷が労働力として農園や鉱山で酷使され、特に砂糖やコーヒー、綿花などの生産に利用された
plantation
- プランテーション
- 熱帯や亜熱帯地域に広がる大規模な農園のことで、特に砂糖、コーヒー、綿花、タバコなどの換金作物を栽培するための農地を指します
2:22 資本主義と
コーヒーは資本主義も生んだのでしょうか?企業は従業員にコーヒーを提供し始め、やがてコーヒーブレイクを許可しました。これは利他的行為ではなく、労働者の生産性を上げるための手段でした。
give rise to
- (物事、状況)〜を引き起こす, 〜を生じさせる
give away
- 無料で提供する, 譲る
altruistic move
- 利他的行為
2:39 コーヒーは欠かせない存在
話を現在に戻すと、世界中で毎日20億杯のコーヒーが消費されています。コーヒーは年間900億ドル規模の産業であり、さらに日常生活において数十億人にとって欠かせない社会的な存在です。
fast forward to the present
- 現在に話を進めると、話を現代に移すと
fundamental social part
- 基本的な社会的要素、社会に欠かせない存在
3:01 身体への影響
では、コーヒーは体にどのような影響を与えるのでしょうか?カフェインが消化器系に入ると、小腸で吸収され血流に取り込まれます。しかし、カフェインの影響が出始めるのは神経系に到達してからです。これはカフェインが体内で生成されるアデノシンという物質と化学構造が非常に似ているためです。
digestive system
- 消化器系
- 口、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓のこと
absorb
- 吸収する
intestine
- 腸
- large intestine: 大腸
- small intestine: 小腸
bloodstream
- 血流
nervous system
- 神経系
- 脳や脊髄、神経から成り、体の中で情報を伝え、反応や動きをコントロールする仕組みのこと
chemical structure
- 化学構造
substance
- 物質
3:27 カフェインの効果 1
カフェインはアデノシン受容体に結び付きますが、これは神経細胞の表面に存在します。これは鍵が鍵穴を開けるようなものです。アデノシンは交感神経系を鎮静し、心拍数を減らし、眠気やリラックス感を引き起こします。しかし、カフェインがこれらの受容体をブロックすることで、逆の効果を引き起こします。例えば、コーヒーを頻繁に飲まない人は血圧がわずかに上昇することがあります。脳活動も同様で、カフェインは脳を刺激し、空腹感を抑え、集中力を持続させることができます。
binds to
- に結合する、に結びつく
adenosine receptors
- アデノシン受容体
- アデノシン受容体は体内の細胞表面にあるタンパク質で、アデノシンが結合する場所のこと。アデノシン受容体はリラックスや眠気を引き起こし、心拍数を下げたり神経活動を落ち着かせる働きがある。カフェインがこの受容体に結合してアデノシンの働きをブロックすることで、覚醒効果が生まれる。
sympatheric nervous system
- 交感神経系
- 自律神経系の一部で、ストレスや緊張時に体を活性化させる役割を持つ神経系。心拍数や血圧を上げ、エネルギーを即座に供給する準備を整える働きがある。「闘争・逃走反応」を引き起こし、体を緊張状態にさせる神経系とされる。
drowsiness
- 眠気、ぼんやりした状態
stimulate
- を刺激する
suppress hunger
- 空腹感を抑える
- カフェインにはそういった作用がある
stay in a state of alertness
- 覚醒状態に保つ
- alaertness: 覚醒状態、注意力が高い状態
concentrate
- 集中する
4:14 カフェインの効果 2
カフェインは気分を向上させ、疲労感を抑え、運動能力を向上させることができます。そのため、多くのアスリートがサプリメントとして利用しています。この効果は15分から2時間続きます。カフェインは5〜10時間で体内から除去されますが、その残留効果はさらに長く続くことがあります。
inhibit feelings of fatigue
- 疲労感を抑える
- inhibit: 抑制する, 生する; (条文規定などが)禁止する; (化学反応)を止める
physicla performance
- 身体のパフォーマンス
residual effects
- 残留効果
- 薬や物質の作用が体内に残り、摂取後も持続する影響のこと。カフェインの残留効果は、摂取後何時間も覚醒状態を維持させるために働き続けることがあり、眠気が取れにくくなるなどの影響を引き起こす
4:41 カフェインの副作用
カフェインの効果を最大化するには、専門家は午後の摂取を控え、翌朝のコーヒーがより効果的に感じられるようにすることを推奨しています。健康な成人にとって、1日のカフェイン摂取量の上限は400ミリグラムが推奨されています。これはコーヒー4〜5杯分に相当します。この上限を超えると、不眠や神経過敏、不安、頻脈、胃の不快感、吐き気、頭痛といった副作用が現れることがあります。また、短時間で1,200ミリグラム程度のカフェインを摂取すると、けいれんなどの毒性症状が見られることもあります。
abstain from
- を控える、を避ける
insomnia
- 不眠症
nervousness
- 神経過敏、緊張
anxiety
- 不安
tachycardia
- 頻脈
- 安静時でも心拍数が異常に速くなる状態を指す。通常、1分間に100回以上の心拍が続く場合に頻脈とされ、ストレスやカフェイン摂取、病気などが原因となることがある。
stomach discomfort
- 胃のむかつき、伊の不快感
nausea
- 吐き気
headache
- 頭痛
toxic effects
- 毒性効果
- 有害な物質が体に悪影響を与えること
seizure
- けいれん発作
5:29 カフェインの効果 3
もちろん、これらの制限は人によって異なり、遺伝的にカフェインに敏感な人もいます。ただし、適度な量を守れば、コーヒーは健康に良い影響を与える可能性があります。例えば、2型糖尿病、心血管疾患、一部の癌、パーキンソン病のリスクが減少することが関連付けられています。
genetically
- 遺伝的に
moderation
- 適度
type 2 diabetes
- 2型糖尿病
- インスリンの作用が低下したり、体がインスリンに対する抵抗性を持つことで血糖値が慢性的に高くなる病。生活習慣や遺伝的要因が原因とされ、主に成人に多く見られる。運動や食事管理での予防や改善が効果的とされるが、進行するとインスリン注射が必要になる場合もある。
cardiovascular disease
- 心血管疾患は、心臓や血管に影響を与える病気の総称で、主に動脈硬化や血栓が原因で発症する。代表的なものに心梗塞や脳卒中、高血圧があり、放置すると命に関わるリスクがある。
cancers
- 癌
Parkinson’s
- パーキンソン病
まとめ
これらの健康効果はカフェインだけでなく、クロロゲン酸などのコーヒーに含まれる抗酸化物質とも関係があります。クロロゲン酸は強力な抗酸化作用があり、多くの病気のリスクを減らす可能性があります。次回コーヒーを手に取るときには、今までとは違う見方ができるかもしれません。
chlorogenic acid
- クロロゲン酸
- ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、体内での酸化ストレスを軽減する効果がある。コーヒーや一部の植物に含まれ、血糖値の安定や脂肪の蓄積抑制、抗炎症効果が期待される成分とされている。
a potent antioxidant
- 強力な抗酸化物質
- 細胞を酸化から守る作用が非常に強い物質を指す。酸化は老化や病気の原因となるため、強力な抗酸化物質は、体内のフリーラジカル(酸化を引き起こす物質)を中和し、健康維持や病気予防に役立つとされる。
感想
コーヒーと、啓蒙思想とかビジネスとか
ちょうど今『「豊かさ」の誕生: 成長と発展の文明史』という本を読んでおり、この動画の「太すぎる補助線」になるので、皆さんにもお勧めします。本の中ではコーヒーのことは特に言及はありませんでしたが、思想家や活動家、発明家のダイナミクスの歴史を記した面白い本です。おすすめします。
意外と出てこない英単語が頻出
交感神経系とか(英語は記事中!)、日本語でも意味を分からず、なんとなくで使っている単語が多々続出。なおのこと英語で表現するなんて難しい。ということで何度も動画を見て、自分にとってなじみ深い単語にしたいと思います!
とくに3:27からのカフェインの働き方の部分は、一般に馴染みの浅い単語が連発するため聞き取りづらいですが、文法や言っている内容自体は単純なので、単語の意味を理解し、きちんと押さえたい箇所ですね!