「超加工食品なしじゃ生きられない?」
はじめに
昨今の我々の食生活から、切り離すことがほぼ不可能である「超加工食品」についてのテーマ。最近の英国、米国のニュースサイトでは「超加工食品」をテーマにした動画が多くアップロードされていて、かなり興味深いです。このBBCのポッドキャストから始めて、いくつか記事を挙げられたらうれしいな。まずは、これを題材に勉強してみます。
学習教材の動画
動画
動画の引用元
- Are Ultra-processed foods impossible to avoid?
- 公開日: 2024/08/31
- YouTube, BBC World Service ch.より
動画の概要
0:00- イントロダクション
超加工食品(Ultra-processed foods; 以下、UPF)が世界中で多くの人々の食生活の大部分を占めており、心臓発作、脳卒中、肥満、2型糖尿病、さらには不安症などの健康問題と関連しているかもしれないと指摘されています。ゲストにはBBCの健康特派員フィリッパ・ロクスビーと『The Food Chain』のプレゼンター、ルース・アレクサンダーが、UPFの健康への影響とその回避の難しさについて議論します。
1:01- 超加工食品とは?
UPFは、産業的に作られた食品で、味覚に訴えるために多くの添加物が使われています。これらは主にパッケージ化された食品や子供向けにマーケティングされている製品です。例として、全粒粉パンやフィッシュフィンガー、マヨネーズ、マスタード、そしてブイヨンキューブが挙げられ、健康的だと思われがちなこれらも実はUPFに分類されることがあります。多くの家庭料理が、加工度の高い食品に依存してしまっている現実も指摘されています。
2:42- 子供たちが食べるシリアルにも超加工食品がある
子供の朝食として多くの子供がシリアルを食べていますが、どの商品を選ぶかで健康に良いか悪いかが変わります。多くのシリアルは砂糖が加えられており、特にチョコレート味のものは砂糖が多く含まれます。一方で全粒穀物や食物繊維が含まれるシリアルも存在します。科学者は、UPFが肥満や糖尿病など、将来的な健康問題に繋がる可能性があることを懸念しています。特に、子供たちの朝食が超加工食品に依存している現状が問題視されています。
3:53- 子供たちの食事が超加工食品で構成されている。
子供たちが成長する過程で、UPFの摂取が健康にどのような影響を与えるかが懸念されています。研究によってUPFが健康に悪影響を与えることは示されていますが、具体的な原因はまだ明確になっていません。それが加工方法によるものか、砂糖や脂肪の含有量の多さが問題なのか、科学者たちはまだ解明中です。
4:27- 超加工食品の種類
続いて、UPFの種類について議論しています。UPFには、飽和脂肪、塩分、糖分が多く含まれており、長期間保存できるように加工されています。科学者たちによると、UPFには32の健康に有害な影響がある可能性があると指摘されていますが、なぜこれらが害を及ぼすのかについてはまだ不明な点が多いとされています。
5:22- UPFには栄養価はあるのか?
一部のUPFには食物繊維やビタミンが添加されており、必ずしも全てが健康に悪いわけではないようです。例えば、食物繊維やビタミンが添加された全粒子のスライスパンなどを例示しています。
5:51- すべての超加工食品が悪いわけではない
超加工食品(UPF)よりも加工の度合いが少ない「加工食品(processed food)」というカテゴリーがあり、これが健康に害を及ぼすとしても、批判が少ないことも言及されています。例えば、ダークチョコレートやプレーン味のポテトチップスは超加工ではなく加工食品とされる場合がありますが、それらには飽和脂肪や塩分が多く含まれている可能性があり、健康に良いとは言えません。そこに超加工食品が悪い、加工食品が良いと断言できない複雑さがあります。
7:01- パッケージのどこに注意して選べば良いのか
そしてパッケージの裏側を見てUPFを特定する方法を説明します。成分リストで、長く発音しにくい名前のものは、乳化剤や添加物、香料、着色料である可能性が高く、これらは商品がUPFである兆候です。また、砂糖や甘味料が加えられている場合や、低糖・低脂肪といった主張がパッケージに書かれている場合も注意が必要です。元の食材の形状をしていない、加工されたソースや缶詰などもUPFに該当することが多いとされています。
7:55- 科学者たちの見方
ブラジルの科学者たちが、食品の栄養成分よりも加工の度合いに注目すべきだと提案し、「NOVA分類法」を作成しました。NOVA分類法は、食品がどれだけ加工されているかに基づいて分類します。
そしてこの分類の作成にも携わったモントリオール大学のジャン=クロード・ムバラック博士は、UPFがいかに広く販売されており、それを避けることが困難であるかと指摘しました。それは、UPFの具体例を挙げるよりも、UPFでないものを挙げてもらったほうがわかりやすいかもしれないぐらいですが、UPF(超加工食品)は、パッケージされたスナック、菓子、ピザ、ケーキ、シリアルなどで広く見られます。特に中所得の国家での販売量はますます増加していて、高所得の国家では既に大きな売り上げとなっています。
スーパーでは野菜売り場や果物売り場を抜けた後には、多様多種のパッケージに入った食品が並んでおり、それの栄養成分表示を見れば、とても長い名前の原材料が使われていることがわかります。
9:29- UPFの何を研究する必要があるのか?
NOVA分類法が、ブラジルの科学者たちにより提唱されたのが2010年で、比較的新しい概念であり、健康への影響については多くの研究が必要とされます。現状までの研究で、超加工食品がどのように体に悪影響を与えるのか、特に加工方法や添加物が原因なのか、または高い脂肪や糖分の摂取が問題なのかは明確にされていません。
10:08- ダイエット食品と健康食品のUPF
食事制限の必要がある人々、特にセリアック病の人々にとって、超加工食品(UPF)が必要不可欠なことが指摘されています。例えばグルテンフリーの食品の多くは、UPFにカテゴライズされますが、特定の成分を避けるためには、他に選択肢が少ないという現実があります。
10:53- 赤ちゃん用粉ミルク
NOVA分類法では、赤ちゃん用粉ミルクはUPFに分類されますが、世界中で母親たちが赤ちゃんに与えています。粉ミルクは牛乳由来で、赤ちゃんの健康のために栄養素が加えられています。ほかにも、ヴィーガン向けの食べ物や植物ベースの食品も、UPFに分類されます。
こうした健康上の理由でそうした食品に頼らざるを得ない人いる一方で、NOVA分類法では超加工食品として分類されてしまいます。モントリオール大学のジャン=クロード・ムバラック博士に、この問題点を指摘したところ、その問題に同意しつつも、「私は幼児期の赤ちゃん粉ミルクを食品ではなく、薬として捉えている」とのことです。
11:45- UPFを避けると、家庭が直面する困難
UPFを避けることが家族にとってどれほど難しいかについて議論されています。特に忙しい親が、時間のかかる手作り料理に頼ることは現実的に難しいため、オーブンや電子レンジに入れるだけで調理でき、時間を節約できる加工食品に頼りがちです。また、UPFは価格も手頃で、経済的な制約の中で選ばれやすい選択肢であることも指摘されています。食材を一から準備する時間がない場合、UPFに頼らざるを得ない状況が多くの家庭で発生しています。
13:41- UPF識別アプリ
UPFを識別するために利用できるアプリも登場しています。これらのアプリで、商品のバーコードをスキャンすることで、その食品が超加工食品かどうか、どういった栄養価があるかを知ることができます。ユーザーはアプリを使用することで、食品が健康的かどうかを簡単に判断できます。また、家族でスキャンを楽しむこともできると述べられています。
14:54- チリ政府が実施している特別なラベル
チリ政府は、肥満率を抑制するために特別なラベリング制度の導入をしました。高糖質や高脂肪の食品にはパッケージに黒いラベルが付けられ、消費者はそれを避ける傾向にあるとのことです。超加工食品にも同様のラベルを付けることが有効かどうかについて調査したところ、チリの人々はそのラベルも役立つと感じていることがわかりました。超加工食品の規制が将来どのような影響を与えるかが問われています。
15:33- 長期間の不安
超加工食品(UPF)が非常に安価で手に入りやすく、食べやすいため、過剰に摂取してしまうリスクがあることが強調されています。特に子供がこうした食生活に慣れると、大人になってもその習慣が続く可能性があり、これは大きな懸念材料です。科学者たちは、UPFの加工方法に問題があるのか、成分に問題があるのか、それらが健康にどのように影響を与えるのかなど、さらなる研究が必要だと考えており、各国が人々により健康的な食生活を選ばせる方法を模索する必要があるとしています。
16:26- UPFを減らすためのお役立ちアドバイス
最後に、超加工食品(UPF)の摂取を減らすための実践的なヒントが紹介されています。たとえば、週に一度でも手作りの食事を作ることから始めること、ビーガンの代替肉ではなくレンズ豆や豆類を使うこと、UPFの可能性の高い炭酸飲料や砂糖がたくさん使われたジュースの代わりに水を選ぶことが推奨されています。パン屋さんにいって、UPFではなく加工食品であるパンを買ってみるのも良い指摘し、それらはUPFのものに比べると悪くなりやすいので、冷凍庫に入れてしまうのもアイデアの一つとしています。冷凍保存という「加工」は、たまに悪いことと考えらることもありますが、食材を長く持たせるのに優れた加工方法です。
パン屋やファーマーズマーケットの素朴な全粒粉の高価なパンだけが健康的と考えがちですが、スーパーでも買える茶色いパンを選んだり、たくさんの野菜をいれて作るスープにUPFであるストックキューブ(ブイヨンキューブ)を使っても許容範囲とするなど、現実的な妥協案も提案しています。重要なのは、無理なく小さなステップから始めることです。
単語・表現
ultra-processed foods
- 超加工食品
- 03:04- 超加工食品の定義はわずかに問題があり、その定義に含まれる食品は全て食べられないと思われがちだが、実はいくつかの健康に良い食品も含まれている。
processed foods
- 加工食品
- 5:51- 超加工食品の下のカテゴリに加工食品があるが、これは批判の対象となっていない。
wholemeal sliced bread
- 全粒粉のスライスパン
- 5:26- 一部の超加工食品は、実際には健康に良い場合があるかもしれない。例えば、私の全粒粉スライスパンには、たくさんの栄養が詰まっています。
my weakness
- 私の弱点; 好きでたまらないもの、目がないもの
- 6:17- 私はポテトチップスにも目がないのですが、もし味付けされていれば超加工食品に分類されますが、塩味だけのプレーンなものならば超加工食品とは見なされません。
clear-cut
- 6:42- 超加工された食品が害があるかもしれないということははっきりしていない。
- 明快な、はっきりとした
(potate) crisp
- ポテトチップス
- 英国英語の表現。potate chipsは米国英語。
- 6:55- 私はポテトチップスも好きだし、ダークチョコレートも同じぐらい好き。
baby formula milk
- 赤ちゃん用粉ミルク
- 11:21- あたりで”infant formula”いう同意異形表現も使われている
- 10:36- スーパーの特定のコーナーに行くと、特定の成分を避けたり、代替するために加工された商品を見つけることができる。たとえば赤ちゃん用の粉ミルクなどだ。
from scratch
- ぜろから、全くの初めから
- 11:52- 自宅のキッチンで、出所が分かっている食材を使って、ゼロから料理を作るべきというメッセージがあるが、特に長い一日を終えた後には、これらはとても時間がかかり、実行が困難だ。
time-consuming
- 時間がかかる
- from scrachの文参照。
apps
- (スマホの)アプリ
- 13:55- これらのアプリを使うと食品が超加工食品かどうか、そしてその栄養価を教えてくれる。
hot tips
- 役立つヒント
- 16:22- ルース、超加工食品の摂取を減らすうえで、現実的に役立つヒントはある?
plant-based meat substitutes
- 植物由来の代替肉
- 豆等を主成分に作られた食品で、肉に近い味・食感を提供することを目的としている。ヴィーガン、ヴェジタリアン、食肉生産時の環境負荷や健康に配慮する人々向けのもの。製法上、UPFにカテゴライズされるものが多い。
- 16:40- もしあなたがヴィーガンで、大抵の場合UPFにカテゴライズされる植物由来の代替肉に頼っている場合、レンズマメや豆類に置き換えれば、料理のボリュームを増やすことができる。
lentils
- レンズマメ
- 例文は”plant-based meat substitutes”を参照。
stale
- 新鮮でない、古くなった、生気をなくした、活気のない、ぱさぱさになった、気の抜けた
- 17:45- もし超加工されていないパンがほしいなら、加工されただけのパンを探すこと。日持ちはしないが、冷凍庫に入れれば長持ちさせることができる。
rustic
- 素朴な、武骨な、田舎臭い、飾り気のない
- 18:15- このNOVA分類法の問題は、とても良質で、高価で、素朴な全粒粉パンしか買うことができないと思わせがちという点だ。
willpower
- 意志の力、自制心
- 19:07- 目の前のテーブルにポテトチップスなどがあり、それを全部食べてしまわないように、自制心を振り絞る必要がある。
polish them off
- 食べ物などを平らげる、仕事などを素早く片付ける
- 例文はwillpowerを参照。
感想
加工食品と超加工食品
人類は食材を、加熱、発酵、燻製、冷凍など加工することで食べやすくしたり、保存に適した状態に変化させてきました。それら加工食品は人類の文明の発展と常にあるものです。一方で超加工食品とは、先進国ではここ1980年ごろから爆発的に消費量が伸び続けている食品群のことで、家庭のキッチンに置かれていないような長ったらしい名前の科学的な原材料が使われ、食品工場で効率的に大量に作られている食品のことを指します。
この議論でもあるように、超加工食品をたくさん食べていると病気になる可能性があるかもしれないが、「超加工食品=体に悪い」という因果関係は科学的に不明なのが、昨今の状況。
他のBBCの動画で、超加工食品だけをしばらく食べ続ける実験をした動画もありますので、それを学習教材に使ってみて、この分野の理解を深めていきたいです。