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「1か月間、食事の8割を超加工食品にしてみた」

yworks21@gmail.com

はじめに

超加工食品について、連投ポスト。今度はBBCのクリス・ヴァン・タレケン博士が超加工食品を一か月間食べまくり、カラダにどういう変化が起きるかを試した実験動画。

クリスはロンドン大学ユニバーシティカレッジの准教授で、分子ウィルス学の博士号を持つ感染症の医者。BBCの健康分野特集で顔を結構お見掛けする方です。

著書”UltrapProcessed People”はアマゾンレビューの高さのみならず、エコノミストやファインシャルタイムズ、ニューヨーカー等クオリティペーパー・マガジンからも非常に高い評価を得ています。2024年9月段階で、日本語にまだ翻訳されていない様子ですね。残念。

追記(2024.10.7)

ちょうど、9/19に早川書房から発刊されましたね。偶然です。

学習教材の動画

動画

動画の引用元

動画の概要

0:00- イントロダクション

クリス氏は自身の健康的な生活を変えてみようとする。超加工商品の摂取量を実験前の20%ほどから80%にまで引き上げようとのこと。極端な食事法に聞こえるが、イギリスでは、5人に1人がこの割合でこの超加工食品を摂取している。生活は変えずに、摂取量の割合を変えることでどういった健康への影響があるかを実験してみたいそうだ。この実験は、イギリスの肥満研究の専門家によって、科学的に有効な結果を得られるよう監修された。

0:33- 1日目

クリス博士が実験で超加工食品の食生活に挑戦。一日目はイギリスで国民的人気食のフライドチキン。食感や風味が良く、外はカリカリで、中はジューシー。超加工食品に含まれる化学物質として、グルタミン酸ナトリウムやリン酸ナトリウムなどがある。これらは脳に強く作用し、満足感が得られる一方で、食べる手が止まらなくなり、1つ食べ終わるとすぐにまた食べたくなると感じています。

1:25- 3日目

クリス博士が、超加工食品のラザニアを食べ続けてしまう理由として、そのおいしさとレンチンするだけの手軽さを挙げている。さらにのびーるチーズの科学的な工夫にも感心し、一皿食べればすぐにもう一皿食べたくなることに気づいた。

1:53- 4日目

クリス博士は、超加工食品の食生活実験中、シリアルなどの食べ物がどれほどおいしく、工夫された食感や味があるかを驚いた。高級レストランのデザートで出されたら「天才的な料理だと思う」とまで述べた。

2:22- 6日目

これらの食品を食べると満足感を得られるが、実験前の3食の食生活と比べ、食べる頻度が増えていることに気づいた。実験のルールとして、空腹を感じた時に食べるというスタイルで進めており、以前は1日3食で軽食が少しだったが、超加工食品を食べ始めてからは食欲が増し、頻繁に食べ物を欲するようになったことに気づいた。

2:40- 8日目

クリス博士の実験も二週目に突入。ピザを食べながら、長ったらしい成分表示を読み、何を味わっているのか、何を味わわせようとしているのか、食感はどんな感じなのかなど、より深く考えるようになった。このピザは「超食べやすく、ついつい食べ過ぎてしまう」とし、食べやすく止められない魅力があると感じた。柔らかい部分とカリカリした部分のバランスが絶妙で、食べ飽きさせない。

3:51- 10日目

クリス博士は便秘に苦しむようになり、便意はあるものの、うまく排便ができず、痔になりそうだと心配している。

4:12- 12日目

休暇中のキャンプの際も、超加工食品の食生活実験は続く。キャンピングカーに乗る高速道路の道中でも一日中ジャンクフードを食べた。48時間も続く便秘と、塩や砂糖の多い食事が原因の二日酔いのような感覚なしに目覚めることから、体が慣れてきてしまったのではないかと疑問に思い始めた。

4:43- 14日目

「一日に必要な野菜と果物の1/5」を摂取できる超加工食品が健康的で、成分表示にも飽和脂肪酸や糖分の表示が「緑色」だと書かれている。しかし、健康的に見える食品であっても、工業的に生産され、成分リストには複数も科学的物質が含まれており、超加工食品としてみなされる場合がある。

5:12- 23日目

クリス博士の実験も3週間経過し、自身の体にどのような影響が出ているかを計測している。ソルビン酸カリウムで味付けたプリンを食べるが、まずいにもかかわらず、食べるのがやめられなくなってしまった。

5:40- 25日目

クリス博士は、眠れず、午前4時にキッチンに来た。胸やけがして、頭痛もあるのに、何か食べたい気分になってしまっている。

6:02- 実験結果、体系の変化

いよいよ一か月の実験が終わり、実験前後の変化を確認する。一か月前は標準的な中年の体型であったクリス博士は、胸の脂肪が増え、お腹周りも膨らんだ。体重は1か月で6.5kgも増え、BMIも2ポイントもあがり太りすぎの数値を記録した。体脂肪は3kgも増加し、この調子で体重が増え続ければ半年で6ストーン(38kg)も太る計算となる。

6:45- 実験結果、ホルモンレベルの変化

続いては、超加工食品がホルモンレベルに与える影響についてだ。実験により、血中の「空腹ホルモン」が30%増加し、逆に「満腹ホルモン」が減少したことが確認された。これにより、食べ物を摂取した後も満腹感を感じにくくなり、空腹感が強まるという「ダブルパンチ」の効果が発生していたことが説明される。

7:18- 実験結果、脳の変化

超加工食品を食べ続けた影響を調べるため、1ヶ月前と現在の脳のMRIスキャン結果を比較した。青と赤の部分があるが、赤い部分は新しく脳内で接続された箇所で、報酬系と自動的な繰り返しの行動を司る部分が結びついてしまっていた。この結果から、超加工食品の摂取が、欲望とは無関係に無意識に食べ続ける行動を引き起こしていることが判明した。この変化は依存症に似ており、たった4週間の食事で脳にこれほどの変化が生じるとは予想外だったとのことだ。

8:31- 子供たちへの影響

クリス博士が懸念する点は、子供たちの脳がまだ発達中であり、中年男性のものよりも柔軟性が高いということだ。つまりは、脳の変化が、クリス博士以上に大きい可能性が考えられる。英国では、幼少時から超加工食品をたくさん食べる食生活を送る子供たちが数多くおり、それが彼らにどれだけの影響を及ぼしているかはまだ分かっていない。

(そして実験結果の調査に協力した肥満研究の第一人者のレイチェル・バターハム教授は)一人の母親として、子供たちに与えていた食品の多くが超加工食品であったことに気づかされ、肥満の専門家であるにも関わらず、そのことは子供たちに何を与えているのかということを改めて意識させられた。

単語・表現

ultra-processed foods

  • 超加工食品
  • 03:04- 超加工食品の定義はわずかに問題があり、その定義に含まれる食品は全て食べられないと思われがちだが、実はいくつかの健康に良い食品も含まれている。

hyper-polishable

  • 非常に食べやすく、無意識のうちに大量に食べてしまう(食べ物)
  • 科学的にはhyper-palatableが好まれる表現で、hyper-polishableはよりカジュアルな表現みたいです。
  • 3:15- これは間違いなく、科学論文で言うところの「ハイパー・ポリッシャブル」というやつで、とてもとても加食可能なおいしい食べ物だ。

pile

  • いぼ痔; 堆積、山、積み重ね、大金、大建築物、火葬用積み薪、電池(dry pile)、原子炉(atomic pile); 積む、蓄積する; たまる、積もる
  • 本コンテンツの文脈では、超加工食品を食べまくり、便秘になり、いぼ痔になりそうだーという文脈で使われている
  • 4:06- 間違いなく、いぼ痔になっちまうぜ。

motorway

  • 高速道路
  • 英国英語の表現。米国英語ならsuperhighway
  • 4:21- 高速道路上でも一日中ジャンクフードを食べて過ごした
  • この後の、went to bed my なんとかが聞き取れん。

1 of 5 a day

  • 「1日5皿分の野菜と果物を摂取する」という健康指針のこと。これは、イギリスなどで推奨されており、健康的な食生活を維持するために1日に5皿分(350g)の果物や野菜を食べることを目標としています。この文脈では、「5」のうちの1つを満たすという意味で使われた。
  • 4:42- これは「ファイブ・ア・デイ」の1つを満たすので健康的。実際に不飽和脂肪酸や糖についても、グリーンライトがつけられている。

potassium sorbate

  • ソルビン酸カリウム
  • 食品や化粧品に広く使われる保存料で、主にカビや酵母の成長を防ぐために使用される。安全性が高いとされており、加工食品や飲料、乳製品、ワイン、ジュースなどに添加されることが一般的。
  • 5:25- ソルビン酸カリウムをしっかりと味わえるね。

body mass index

  • ボディ・マス・インデックス、BMI
  • BMIとは、体重(kg)を身長(m)の二乗で割って計算される指標で、体脂肪の推定を目的とする。BMIは、個人の肥満度を評価するために広く使われており、一般的に次の基準がある
    • 18.5未満:低体重
    • 18.5~24.9:標準体重
    • 25.0~29.9:過体重
    • 30.0以上:肥満
  • この指標は健康リスクの評価に役立つが、筋肉量が多い場合などは正確に反映されないこともある。
  • 6:27- あなたのBMIは2ポイントも上がって、過体重のレンジに到達してしまったわ

stone

  • 石; (人の体重を表すのに用いる重量の単位)14ポンド
  • 6:39-もしこの調子で体重が増えてしまったら、半年で6ストーン(38kg)も太ってしまうだろうね。

whammy

  • (幸福不幸をもたらす)まじない、魔法; 不吉をもたらすもの、縁起の悪いもの、致命的一撃
  • 7:09- 空腹ホルモンが増加し、満福ホルモンが減少するというダブルパンチを食らってしまった

reward centers

  • 脳の報酬系
  • 脳の中で快楽や動機詰めに関与する領域。報酬となる行動や刺激を受けたときに活性化され、ドーパミンという神経伝達物質を放出し、喜びや満足感を生み出す。この反応により、その行動を繰り返すように脳が促す。食事・運動・社交・依存性のある物質の摂取などにより活性化される

addiction

  • 依存症
  • 8:08- 驚くことに、これは依存症の人に見られるものだ。

malleable

  • 柔軟性がある
  • 8:31- 子供たちの頭脳は発展途中で、中年の私のものよりも柔軟性があり、つまりは変化がさらに大きなものになりえるということだ。

感想

超加工食品は脳を変化させてしまう

クリス博士の体を張った実験は、衝撃的な結果となった。わずか4週間の食べまくるだけの実験で、脳の報酬系と自動的な反復行動をつかさどる部分の神経回路が結びついてしまった。これは依存症患者に診られるものと同様とのことだそうだ。

他の動画を見ても、クリス博士は、不健康との因果関係が完全には分かり切っていない超加工食品について、体に明らかに悪影響を及ぼすという主張をしている。そして昨今登場した異様な肥満問題には、超加工食品にしかアクセスできない貧困問題が根本にはあるといった指摘をしている。そうした動画も次の教材で扱いたい。

ローテンションで、鬱っぽくなったクリス博士の呂律が回らなくなり始めたところの発音の聞き取りが結構難しく、そうした体調の変化によるクリアでない英語の聞き取りも非常に勉強になるね。

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